昨日、価格コムでキャノンのデジカメを見ました。グーグルを使ってその製品を検索しました。キャノンのサイトで見たかったからです。
今朝、ネットをしているとタイの通販会社の宣伝の写真は自分が昨日みていたデジカメの写真でした。
グーグルニュースでみるタイの記事はいつの間にか自分がいつも行くサイトの記事ばっかりになりました。
facebookに沢山の知り合いがいたとしても、いつもみるのは50人ぐらいのような気がします。もちろん、500人のうちfacebookでアクティブな人は半分もいないだろうと思いますが、、
「閉じこもるインターネット」The Fliter Bubble: What the Internet Is Hinding from You, Eli Pariser(イーライ・パリサー) 著 かなりパンチのある本でした。ネットを使う人すべての人が知っておくべき内容だとも思います。
2009年にグーグルが検索をPersonalize(個人化)し始めました。これはすごい機能で自分が知りたいと思う情報をグーグルが機械的にリストしてくれるのです。
このサービスは色々な企業で行われています。アマゾン、Youtube、Apple、Yahoo、新聞社、そして各々の組織で各ユーザーに対する情報が蓄積されていてどう使用されているかは基本的に企業秘密です。本の中では日本の企業に関して触れられていませんが、同じことが起きていると思って間違いはないと思います。
1日8時間オンラインにいれば、それだけ自分の情報をシステムに組み込んでいます。何をクリックするのか、検索するのか、どのサイトにどのくらいいたか、誰のメールに早く反応したのか、どこにいるのか、何をしているか、どんな癖があるのか、
「無償サービスには個人情報という対価を払っているのです、、グーグルもfacebookもそれを上手にお金に換えています。」本文より引用
実は自分より自分のことを知っているシステムがいつの間にか出来上がっているのです。イーライはグーグルやfacebookはその影響に関して無頓着だといいます。これらの個人に関する情報・システムがいつどう使われるのか、、、、
この情報を好みに合わせて見せたり、見せなかったりすることをイーライは「Filter Bubble」と呼び、「これを放任してしまうと、自分達は自らの考えで自分の洗脳し、なじみのあるものばかりを欲しがるようになる。暗い未知の領域にひそむ危険のことなどを忘れてします。」
訳者の井口耕二さんの言葉を借りると「思わぬものとの出会いがなくなり、成長や革新のチャンスが失われる。」
マスメディアや政治からの情報に対する権力(フィルター)が弱まり、人と人が繋がっていくことに興奮していた自分達ですが、それほど理想的に物事は進みません。自分達は新たに便利ですが恐ろしいフィルターを自ら作っているのです。
イーライはフィルターを普通の人に見えるようにすることを企業に提唱しています。また、個々人はこのフィルターの存在を熟知する必要があります。彼は本の最後をこう締めています。
「誰とでもつながれる世界、ユーザーがコントロールできる世界というインターネットのヴィジョンを守る、、それこそ、いま、我々がなすべきことだと思う」
TEDでの彼のスピーチを是非見てみてください。長くありません。
本日もブログにアクセスいただきありがとうございます。
posted by ichiro at 10:57| バンコク ☁|
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