2009年05月28日

パンジャブ州のある県

火曜日にパンジャブ州のある県に出張にいった。パンジャブ州はパキスタンにある4つの州でもっとも人口が多く(6,7割)もっとも発展している州。そしてその州の中には35県あり、訪れたのはその中でも貧しい県。

県で一番大きな街の様子は以下。(車内より撮影)
http://www.youtube.com/watch?v=pL_4xK7ntN8 

街からすこし外れるとこんな感じ。公園?

kouen.JPG

今回の出張の目的はMobile Phone Literacy Programmeの準備と説明。いくつかの識字センターに訪れて、そこの先生や生徒と話す機会がもてた。
http://www.youtube.com/watch?v=VCDrBR3cJe0

パンジャブ州のNGOとの共同作業だが、急にドキュメンタリーを作ると言い出し、出張中ずっとカメラと一緒だった。面白いドキュメンタリーができたらそのうちここにアップします。


本日午後、ブログで触れたIDP(Internally Displaced Peoples)のキャンプへ視察に行く予定。イスラマから約1時間半のところ。

昨日、パンジャブ州の首都のラホールで大きな爆発があった、30名近くが亡くなり、数百名が負傷した。スワットやブネイでの過激派と軍との戦いが飛び火している。
posted by ichiro at 10:51| ニューヨーク ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 途上国の教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月09日

好きな写真

最初にあなたに読み書きを教えてくれた先生は誰ですか?詳しい統計や報告書はみたことがないが、9割以上がお母さん、とかお父さんと答えるのではないだろうか。

小学校に入ってくる時点で親や親類が子供にすでに識字を教えている場合と、教えてない場合では、すでに大きな差ができてしまう。

パキスタンやバングラデシュにおいて小学校の質の低さに関しては何度が触れたが、学校は基本的にできる子主体ですすめるので、識字をまだ覚えていない子がしっかりキャッチアップできる可能性は著しく低い。

Social Reproductionという言葉があるが、社会格差・様式・特徴が常に再生・維持されているというような意味。お父さん・お母さんがもし読み書きできなければその子供も読み書きができない大人になる可能性大、7割とか8割とか言われている。

EFA GoalやMDGのひとつがUniversal Primary Education (すべての子供を小学校に就学)というもの。これは最重要のひとつであることは間違いない。でも、”登録”する就学だけでなく、小学校にいる間にすこしでも学習達成度を高めるためには、一見とても回り道のように思えるが彼らたちの親のこと、またこれから親になろうとする若い世代への努力(成人・識字教育)を忘れるべきではない。

とても気に入っている写真の1枚。

DSC_2257s.JPG

パキスタンでとてもいい写真を撮る写真家にあった。彼女の撮る写真のなかで子供や大人はとても生き生きしている。

活動家でもある彼女はTV番組にも出演、ナンセンスな大臣や政治家とTVで真っ向勝負する。数週間前、過激派が少女を鞭うっている画像(動画)をメディアに出し、TVで派手にコメントした。

彼女は脅迫を受け、姿をくらましているらしい。安否が気遣われる。

posted by ichiro at 11:44| ニューヨーク ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 途上国の教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月20日

発展途上国など存在しない。あるのはマネジメント途上国である。(ドラッカー)

ビジネス界だけでなく非営利組織のマネジメントにても世界で最も影響力のあるピータードラッカー。ドラッカーが途上国に関して語っている。


「マネジメントが経済と社会の発展をもたらす。経済と社会の発展はマネジメントの結果である。発展途上国など存在しない。あるのはマネジメント途上国である。

140年前の日本は、あらゆる尺度からみて途上国だった。しかし、日本はすぐれたマネジメントを生み出した。日本の成功は、マネジメントが原動力であり、経済発展はその結果であることを示した。他の国の経験もこれを裏づけている。資金しかなかったところに、経済発展は見られなかった。マネジメントの力によって人間のエネルギー結集したところでのみ、急速な経済発展を見ることができた。

経済発展は、経済的な富ではなく、人間のエネルギーによってもたらされる。人間のエネルギーを生み出し、その方向づけを行うものがマネジメントである。」



読んでいて気持ちがいい。



posted by ichiro at 10:14| ニューヨーク ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 途上国の教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月15日

どうしてお金が使われないか 2

「どうしてお金が使われないか」 http://miyaichi.seesaa.net/article/114834657.html の関連情報です。

数日前メールでこんなレポートが送られてきた。
Jhang - Report on ADP and its Implementation April 13, 09.pdf

パンジャブ州のひとつの県(Jhang District)がどのように国家開発予算を受け取り、開発プロジェクト(教育を含む)を行っているかを短くまとめたもの。

お忙しい方は5ページの 「3. Implementation of Annual Development Program (2008-09): Issues and Concerns」 だけどうぞ。この部分に書いてあるおおまかなポイントは以下。

  • 開発予算を使っているプロジェクトは不透明に策定されている。
  • 1年のうち8ヵ月が経過しているが、開発予算全体で実施率(使用されたお金)は7.6%のみ。
  • 同様に教育プロジェクトの実施率は7.9%
  • 州からの資金の流れが滞っていて、8か月経過しても年間予算の32%しか使用できる状態にない
  • 今年度行われるべき211のプロジェクトのうち、県開発委員会に承認されているのは75のみで、他は承認なしのまま。
  • コミュニティー開発、下水道、スポーツに関しては1ルピーも使用されていない。
  • 関連役人に25%のキックバックが契約業者からある。
  • 州政府、県政府、県議会の間での摩擦があり、開発プログラムの実施を滞らせている。

システム(制度)の問題、組織・個々人の能力の問題、組織・グループ・個人レベルの私利の絡んだ駆け引き(Politics)が浮き彫りである。


posted by ichiro at 10:44| ニューヨーク ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 途上国の教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月10日

無視される中等教育?

更新しない間もこのブログにアクセスいただきありがとうございました。
4月8日の夜にイスラマに戻りました。また、よろしくお願いします。

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パキスタンで中等教育があまりに軽視されているように思えて仕方ない。

以下のチャートは1970年から2007年までの初等教育、中等教育、高等教育の就学率の移り変わりを示したもの。(Source: UNESCO Institute for Statistics 2009)

3つの教育レベルは過去約40年間に倍になっているが、中等教育の伸び(青)が低すぎる。一定のペースで伸びている点はいいが、このペースでは小学校5年間終わった子供の受け口になれない。

image002.jpg

それでは、南アジアの他の国と中等教育の就学率を比べてみる。(Global Monitoring Report 2009)ここ南アジアではアフガンが一番低く、その次はパキスタン。また、二つの国の特徴は男女の就学率に大きな差があること。またインドでもその傾向はみられる。


sec edu.gif

個人的には封建主義の亡霊をやっつけるには教育された大きな中間層(Medium Educated Mass)がとても重要だと信じている。

初等教育の拡充と質改善も大きな課題であることは間違いないが、中等教育は国民の中間層を形成していくために重要であり、軽視されるべきでない。



posted by ichiro at 11:32| ニューヨーク ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 途上国の教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月27日

少年アサッド

5年生のアサッドは学校が大好き。毎朝学校に行きたくて、元気に起きる。

仲良しの友達もたくさんいる。なんたって、アサッドのことをいつも見ていてくれて自信を持たせてくれる優しいナサリーン先生に会うのが楽しみ。きょうは教室で「どんなギャグかましてやろう」ともくろんでいる。

学校ではいつも同じだけど給食がでる。これも楽しみのひとつ家ではいつもおなかが減っている。学校には村の医者もたまにきてみんなの健康チェックもやってくれる。

授業はわからないことも多いけど一生懸命なナサリーン先生を見ている。先生はこの村の出身で、みんなから信頼されている。家の理由で学校にこれなかったアサッドの親友のアリ。先生がアリの家に何度も何度も行き、アリは学校にこれるようになった。アリは勉強に関してはアサッドより勤勉だ。アリは毎日学校から家に帰るとき、先生に「ありがとう」と欠かさずいってる。

アサッドは教室で授業を聞きながら、みんなを見て思っている。「ずっと、ずっと、このままこの先生や友達といれたらいいな」 また、アサッドは思う「先生みたいに人を助けられるような大人になりたい」

ssDSC01530.JPG

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価値観押し付けかな?、、こんなことを考えながらこんなコラボJoint Education Package.docを考えています。


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2009年03月04日

Teacher Education Resource

途上国の教育開発の中で、教育養成・訓練は最重要視されている。

たくさんの援助国、開発銀行、NGOがいろいろな教員養成・訓練プログラムを行っている。パキスタンも例外ではなく、過去数十年にいったいどれだけの教員に関するプログラムやプロジェクトがあったか、、。何十億円、百億円が費やされている。

そういった援助国や銀行と並び訓練等をプロジェクトで行うのはUNESCOの得意とするところではなく、教員養成の政策(Policy Framework)や基準(Standard)を作ったりすることに力を入れている。

また、政府、援助国、開発銀行、NGOの間で調整したり、情報共有できるシステムをつくるのもUNESCO、これからのUNにもっと望まれるところだろう。

すこし前に識字のLIFEサイトを紹介したが、同じような目的で教育養成に関するサイトをつくった。
http://www.teachereducation.net.pk

まだ、サイト上の資料(レポート、訓練マニュアル等)は限られている。これから政府、援助国、開発銀行、NGOから可能なかぎり集めてこのサイトにアップしていく予定。

IMG_5359.JPG



posted by ichiro at 11:34| ニューヨーク ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 途上国の教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月26日

どうしてお金が使われないか

変なものを食べてしまい、数日不調でした。よく眠り復活しました。

国家教育予算が伸びない大きな原因のひとつはいまある予算が使い切れないことだ。

例えば2009年のパキスタンの教育国家予算は275 Billion Rupee (約 3,237億円)で200 Billon (2,354億円)は教師等の給料のための通常予算で75 Billion(883億円)は開発予算になる。

27%の開発予算は大きいほうだと思う。しかし、パキスタンの計画委員会によるとこの開発予算の多くがほとんど数年経過しても使われないということ。

すこし前だが、面白いプレゼンを聴いた。それはNCHD(Naitonal Commission for Human Development)という国の組織のDirectorが行ったもの。どうして予算が使われないか.ppt

パキスタンにある127の県のうち2つをサンプルにして教育予算、とくに開発予算がどう使われているか述べたものだ。タイトルは「資金の有効利用:どうしてX%のみの開発予算しか使われないのか」

結論は
  • 県の役人は予算があることを4月までしらない。(パキスタンの会計年度は7月始まり、6月締め)
  • 予算の使用に関して承認の遅れ(役人は誰から承認をもらえばいいか定かでない)
  • だれも物資の購入の責任を取りたくない
  • 責任説明が怖い

2つの県で開発予算は70%のみ使用され、そのほとんどの予算は会計年度の最後の6月に投げるよ費やされている。

プレゼン自体は内容と最後の結論がよく結びついていないところもあるが、現実に起きていることを如実に表している気がする。

posted by ichiro at 11:39| ニューヨーク ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 途上国の教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月17日

百匹目の自分

百匹目の猿現象はとても自分を勇気づける。

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ある島(宮崎県の幸島)に生息する猿の群れのうちの一匹が、ある日(昭和28年)、餌の芋を川の水で洗って食べることを始めました。すると、ほかの多くの猿達も、それをまねして同じ行動をとるようになりましが、その数がしだいに増えて一定数に達したときに不思議なことがおこりました。

その現象を知るよしもない、遠く離れたほかの土地や島の猿たちもまた、つぎつぎに芋を水洗いして食べる行動をとり始めたのです。

つまり最初の一匹が始めた、ひとつの賢い行動が集団のなかに広がって、群れ全体の新しい知恵や行動形態として定着したとき、その行動はまるで秘密の合図でもあったかのように時間や空間を超えてあちこちに飛び火し、仲間の中に同時多発的に広がっていったのです。、、、

すなわち猿たちが教えてくれるように、よい行い、よい思いは時間や空間を超えて、周囲に広く伝わり、多くの人の思考や行動も正しい方向へ導く。どこかでだれかが、何かいいことを始めると、それを真似する人がつぎつぎにあらわれて、ついには社会全体に浸透していく。

(百一匹目の猿現象を起こそう! 船井幸雄著 サンマーク出版)

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著者の船井さんはベルリンが壁がくずれたのも、明治維新もこの現象が大きく貢献していると考えられていいる。

また、Tipping PointやBlinkの著書で有名なMalcolm GladwellもTipping Pointの中で人々の間で起こる同時多発的な広がりについて述べている。

昨日、ブログに書いた社会的情動を高くもつ人も繋がっていくことで、もっともっと大きな力になり国中や国を超えて電波していくだろう。

外国人として入ってきて、もし出来る役割があるとしたらそのようなGood Will Peopleをドンドン繋いでいく事ではないだろうか。そして、自分もその中に入りたい。



posted by ichiro at 11:30| ニューヨーク ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 途上国の教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月10日

謙虚とやる気

ウォルマート創業者、サム・ウォルトン氏は大富豪であるが、とても謙虚なフレンドリーなおじさんらしい。世界一の大富豪になったのに、毎日店にいって店員みたいなことをしている。

彼曰く

「だって、お客様や社員会っての商売であり会社です。会社の最高責任者として、毎日一人ひとりのお客様と社員に感謝の意を表さずにおれません。その唯一かつベストな方法は、現場でお客様と社員とコミュニケーションをとるとこなのです。」

「それはすごく勉強になるし、勇気がいることなのですよ。毎日現場にいると、問題点が山ほど出てくるので、すごく怖いことでもあるのです。本当は見たくも、知りたくもなく、逃げ出したい気持ちになることもあります。

でも、トップである私が現実から逃げたら、誰がこの会社を信じてついてきてくれるのでしょう。ですから、私は健康なうちは現場で仕事を続けます。それが、創業者としての私の最も大事な使命ですから」

(世界のリーダーに聞いた人生と仕事を成功に導く72の感動の言葉 浜口直太著)

タンザニアにいた時のことを思い出した。教育省の高官たちを連れて、近隣の学校の現実を視察する。一切、One Day Show*はなし。その時、自分のUNICEFでの上司(ナイジェリア人)はあまりの学校のひどさに大泣きしたといっていた。泣くの教育省の高官であって欲しかったが、でもそれなりにインパクトがあったに違いない。

海外の国際会議やワークショップに大臣や高官をどんどん送ってそれで「やる気」を養ってもらおうなんて幻想かもしれない。

怖い現実を一緒に謙虚にみることのほうが、人を燃え立たせる可能性が高いだろう。

IMG_5358s.JPG



*One Day Showとはお偉方や外国人が来るときに、普段いない人や子供を集めてさぞ学校やそのプログラムがうまく運営されているかみせるもの。ある意味でHospitalityともいえる。見た人はおめでたく帰っていく場合も多い。

posted by ichiro at 10:51| ニューヨーク ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 途上国の教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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