教育開発の仕事をしたいと思っている人に勧めることがある。
それは、「統計書をエクセルで遊ぶ。」
どんな途上国も毎年か2年に一度は教育の統計書をだしている。精度の問題はまだまだあるにしても、その統計書で遊ぶといろいろなことが見えてくる。
残念ながら統計書自体は基本的に出すために出しているのでつまらない。といいうか開くと数字がドーっと並んでいて、見る方は「
うぇー」となるようになっている。
ここを怯まずにすこしでも関心のある数字の表へいく。その表をエクセルに入れてみる。時間がかかりそうだが、ひとつの表で実際に入力が必要なのは3分の2ぐらい。あとは表計算で自動的に。
勝手に考えているのだが、デジタル(数字)をアナログ(描く)にすること、また割算をつくることが分析のまず第一歩。アナログ(描く)なんて書くとすこしスカしているが、
分りやすいグラフやチャートをつくってみること。
たとえばこの表(
PES 06-07.xls) Pakistan Education Statistics 2006-7 (Ministry of Education)の数ページから入力したもの。そして自分は今後の私立学校の伸びに興味があったのでこんなのを作ってみた。
もうひとつ
私立校の学校数の割合(上)と私立校に通う生徒の割合(下)である。
興味がある私立学校とは前に
ブログで紹介した地方にあるようなもの。すこし余談だが、地方でも9割の公立学校の先生は自分の子供を私立学校に通わせているとの調査報告があるらしい。
さておき、この2つの図から色々読み取れるが自分が面白いと思ったのは以下。
- 小学校の数に関しては私立の割合は10%なのに、私立に通う生徒は全体の30%を越している。私立がパンク状態である!?
- 全学生の35%は私立に通っている。
それらの私立はほとんど政府の補助を受けていない。ドナーもしかり、援助のほとんどは公立向けである。世銀が私立への補助金を出していると聞いたのみ。日本政府も草の根資金で支援しているようだ。
私立が公立と同じかそれ以上に質がよく、すでに35%の学生が通っているとしたら、政府やドナーはこのまま静観しつづけるのは得策か?
時間のある方、上に添付したエクセルで遊んでみてください。
posted by ichiro at 14:05| ニューヨーク ☀|
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