2011年01月12日

Future of the United Nations



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去年に出されたレポートのようですが、すこし面白いものがありました。国連機関がどう認識されているかの調査です。3000人以上の方(9割は途上国)から質問票への回答をいただいたようです。

レポートはこちら。funds-report-april2010.pdf
このレポートを作成したのはスイスのジュネーブにあるThe Funds Projectというところです。http://www.fundsproject.org/

15ページの短いレポートですが、一番おもしろいと思ったのは上のチャートです。Y軸(上方向)は各国連組織が行っている事業が途上国の必要としている分野であるかどうか?X軸(右方向)は組織が効果的がどうかを示しています。WHO、UNICEF、UNAIDSがもっとも評価が高いです。

保健と教育分野での国連のサポートを途上国の人は最も望まれているようです。またそれらの分野にて国連としてもっとやれい!と期待されているのは以下です。

  1. 政策をつくる・グローバルなレベルでの交渉
  2. 技術サポート
  3. 国際会議を催す
  4. 啓蒙・アドボカシー
また、あまりにたくさんの国連機関がありますが、7割〜8割の方が2025年までにもっと数を減らせ、国連としてひとつにまとまるべきと考えられています。組織の非効率さや官僚的なところ、スタッフの雇用・配置が政治的なところががレポートの中で大きく指摘されています。

本日もブログをお読みいただきありがとうございます。




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2010年10月28日

新陳代謝と多様性


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Global Innovation 日本を変える3つの革命 藤井清孝著

この本、日本を国連・役所という意味で読んでみました。藤井さんは3つのInnovationを提唱しています。(以下は本からの引用させていただきました。)


ビジネスモデル・イノベーション
このイノベーションに必要な7つの力
  1. 感動する「ユーザーエクスペリエンス」をつくる力
  2. 「オープン化」と「ブラックボックス化」のメリハリをつける力
  3. 指導権を取れるアライアンスを構築する力
  4. もうかる仕組みを事前に設計する力
  5. 顧客からの信頼をブランド力に昇華する力
  6. 個別の要素の強みをプラットフォームに構築する力
  7. 優秀な人材が馳せ参じる組織力

ガバナンス・イノベーション
どんな強い組織や集団でも、長く経てば必ず澱(よど)みを生む。新陳代謝のサイクルを仕組みとしてつくりこむことで、既存の組織も緊張感で強くなり新規参入組との健全な競争が生まれるのである。


リーダーシップ・イノベーション
リーダーに大事な3つの力
  1. 多様性からエネルギーを生み出す力
  2. 全体観を持ち、問題自体を定義する力
  3. グローバルな仕組みの中で、日本の繁栄を図る力
やるべきことが自明である場合はリーダーはいらない。その場合は応援団とマネージャーがいれば十分だ。今、一番必要なのは「未来の正解」を今決定し、それを力強く、わかりやすくコミュニケートするリーダーシップである。

-------

未来の正解を、今決定する、、。
新陳代謝と多様性、、、 

国連の中で元気がいい組織は間違いなく、新陳代謝が頻繁に起きています。多様性はとてもありますが、まだその多様性のエネルギーを上手く使えていません。

UNESCOのようなTechnical Agencyとしては上のビジネス力の1,3,5,6,7がとても参考になると思います。Technical AgencyはInnovation, Standard Setting, Platformづくりの3つにフォーカスしていくことで、より多くの人、組織、国に貢献できる可能性があると思いました。


本日もお読みいただきありがとうございました。
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2010年04月07日

ドキッ


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ドキッとしませんか、以下?


ダメな会社(組織)は、

社長が部長の仕事をし、
部長は課長の仕事をし、
課長は係長の仕事をし、
係長は平社員の仕事をしている。
それで、平社員はというと会社の将来を憂えてる。
 
(一倉定 経営コンサルタント)

経営者(上司)となったからには、部下の仕事に逃げ込んでは行けません。

経営(企業全体・部門)の本質とは、企業(組織)の方向付け資源の最適配分人を動かすの3つです。

(小宮一慶 経営コンサルタント)


このところ、小宮一慶さんの本を4,5冊、読みました。とても興味深く、社会人にとっての教科書に感じました。
経営コンサルタントなので、民間企業の話しがほとんどですが、とても勉強になります。

小宮さんによると企業は二つのタイプに分かれる。内部志向と外部志向の企業。外部志向の企業はお客さん第一、どうお客さんにサービスするのかが、焦点になっています。一方、内部志向というのは、外部のことより内部の会議が大事だったり、個人の出世や内部の政治にほとんどのエネルギーと時間を費やしています。

公的機関や国連に入る人のなかには、人のためという志をもっている人がたくさんいますが、いつのまにか組織・個人が超内部志向に陥ってしまっている場合も多々あります。

どうしたらもっと外部志向になれるのか、一人一人の考え方が変わらないと、組織は変わらないだろうなと思います。


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いつもお読みいただきありがとうございます。




 



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2010年02月03日

perfect?


途上国で(その他の国でも)会議をしていて、こんなことよくないですか?

保守的になり、細かいことばかりが目についてしまったり、指摘されたり、完全を求め過ぎで、結局何ヶ月もなにも進まない。似たような書類ばっかりつくっている。

先週から教育省との会議はそんなのばっかりでした。昨日は連邦政府と州政府が集まりOne UN(国連のプログラムをひとつにまとめていくもの)の大きな会議がありました。

最後の最後にUNICEFの所長がこんな一言。実にしっくりくる言葉です。みなさんも会議などでどうも煮詰まってしまったときにどうぞどうぞ使ってください。

Perfect should not be the enemy of the good

いまの時点ではわからないことだらけだったりするけど、とにかくはじめよう。完全を求めるあまりに、立ち止まっていてはいけない。

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いつもお読みいただきありがとうございます。 (宮沢)


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2009年10月18日

「国連についての100の提言」


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国連フォーラムの大変親切なスタッフの方の助けをいただき、「国連についての100の提言」をさせていただきました。ありがとうございました。


(1)提言
「国連が一つになり効率よく援助するため、明確で燃えるVisionを共有、各組織の実績を基に強みを合わせよう。」
 
 
(2)説明
国連改革One UN ”Delivering as one”のパキスタンでの取り組みを例にすると、課題として、調整組織の弱さ、スタッフの期待と不安、多忙すぎる各機関の代表への負担、組織能力を超えて拡大するプログラム、各機関の非効率性、各機関独自の管理システム、国の治安状況が挙げられる。こうした課題を克服し、真のOne UNを実現するために重要なことは、各分野でスタッフを鼓舞するような明確なVisionを共有すること。そして、具体的な取り組みとしては、

@各分野での選択集中(各機関の能力と現地のニーズに基づく実施可能なプログラム作成)、
A調整組織の強化(組織横断的に同一分野を統括する専門アドバイザーの設置)、
Bスタッフの流動化(現地スタッフの成長意識を促進するための勤続年数制限設定)、
C管理システムソフトウェアの統一化(組織間の情報共有や資金の流れを簡略化する)、
D組織の理念と使命の検討(スタッフの自己評価プロセスを通じた組織/自己の使命を検討する定期的な機会の創出)と考える。



お読みいただきありがとうございます。





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2009年07月25日

アルビントフラーの国連改革

アルビントフラーの本を読むと、彼が巨大な人間コンピュータに感じる。

とにかく莫大な量の情報をあたまにほうり込み、それらの関連や傾向をバサバサと叩き出していく。それは機械的でもあるが、かれの40年以上にわたる積み上げられた知識・経験とそこからうまれる直感が基になっている気がする。

アルビントフラーが2006年に出した「富の未来」に国連に関する言及する部分がいくらかあった。その中でとても興味深い提案をしている。

以下は「富の未来 下巻」からの引用

----------

世界で国連の影響力が低下しているのは、国という制度が全体として影響力を失ってきたからだ。以下でみるように、世界企業、債権市場と為替市場、復活した世界宗教、何万というNGOや国内的、国際的な地域組織など、他の勢力が力をつけてきた。

そのために、ここの国の力が低下した。国という制度のちからが弱まったことで、国連の影響力が大幅に低下したのである。

したがって、国連がほんとうに二十一世紀の現実を反映した改革を実行したいのであれば、国際社会で新たに力をつけてきた勢力をみずからのもとに集結し、国だけでなく、これらの勢力にも投票権を与えるべきだ。

----------

世界の動きを見たときにとても現実的な話しだ。これが実現していくとUnited NationsではなくUnited Peoplesとなるのか、、。組織名はさておき、方向的にはこうなっていくだろう。

本のなかでトフラーも述べているが、経済的にも国としての国力や影響力が弱まれば、その国の貨幣も弱まる。影響力をつよくもつグループの通貨もできあがる。それらはすでにゲームやマイレージ、ポイント制度で始まっている。それらは札やコインではない。今から10年後はグーグルが世界で一番強い通貨単位になっているかもしれない、、、。 


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2009年07月21日

One UN Program Management Structure

昨日のブログ更新とはかけ離れ、かなりマニアックな内容です。

国連改革であるOne UNの教育プログラムは何度かこのブログで紹介させていただきました。今回はそれを実施管理する組織に関して説明します。

それに関するプレゼンはこちら。UN JP management and finance.ppt

教育ブログラムの実施のためにプログラム運営委員会(JPSC)がつくられます。これは主に国連の9つの組織の代表と国政府、州政府のメンバーとその他のNGOやドナーで構成され、全体で35人。このJPSCが教育プログラムにおいて最高決定力をもっています。教育省の長官と今年はUNICEFの代表が議長を務めます。(来年はUNESCO) 基本的に年に2回会合があります。

JPSCの下には4つのTaskforce特別委員会)が形成されます。教育プログラムには4つのコンポネントがありますが、4つのTaskforceが各コンポネントに対応します。教育プログラム4つのコンポネントの内容はこちら。 Education JPCs revised.ppt

Taskforceはそのコンポネントに参加している国連機関(4〜6)代表と国・州政府の代表で構成されています。各Taskforceは25人から30人のメンバーからなり、基本的に年に4回、会合が開かれます。また、各コンポネントの年間活動計画を作成したり、実施進捗状況をモニターすることがTaskforceの主な仕事です。

One UN プログラムはドナーからの資金供与がなければ骨なしプログラムになってしまいますが、その資金が与えられた時のお金の流れを説明したものがプレゼン(UN JP management and finance)の最後のほうのスライドです。すでにオーストラリアからの資金供与が確約されています。

ちなみにHLC(High Level Committee)とはOne UN プログラム5つ(教育、保健、農業、環境、災害)の上の成り立つ最上組織。パキスタンの経済援助受け入れ官庁の長官とUNRC(パキスタン国連代表)が議長です。

今日はこれから第1回のプログラム運営委員会(JPSC)があります。プレゼンやってきまーす。

posted by ichiro at 10:26| ニューヨーク ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 国連改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月20日

国連フォーラム

依頼を受け、国連フォーラムの「私の提言」に投稿させていただきました。

短く、短くと思ったのですが、だらだらと長くなってしまいました。お時間のあるときにお読みいただければ幸いです。機会をくださった、国連フォーラム「私の提言」チームの方々に感謝します。ありがとうございました。


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posted by ichiro at 09:53| ニューヨーク ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 国連改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月25日

国連が機能しない3つの理由(大前研一氏)

20代前半の時に大前研一氏の「平成維新」を読んだ時のインパクトは今でも覚えている。読みながら本当にドキドキした。他にはアルビントフラーの「Power Shilft」などもケニアの村で、むさぼるように読んでいた。

以来、大前研一氏の著書は殆んど読んでいる。とにかくすごいと思うのは文書が論理的でとても読みやすく、切れがあること。そして問題提示に対して、自分なりの「So What?」 つまり解決案を述べるところ。 

このところお年をすこし召されてようで前より問題提示・非難のパートが増えている感じもするが、笑いの部分がどこかに隠されていて、そして解決案をバッサリと提示する。

新しい著書の「さらばアメリカ」では、国連も世銀もIMFも機能していないと述べた上で、国連の機能しない理由を3つあげている。
  1. 総会が1国1票で、大国も弱小国も同じウエートとなっているために決定に強制力の衆愚政治をつくりだしてしまったこと。
  2. 第2次世界大戦の5つの戦勝国を安全保障理事会の常任理事国にし、それらに拒否権を与えたため、いずれの国が反対しても前に進まないこう着状態をうみだしてしまった。
  3. 前記二つの事由でアメリカが国連を無視し、都合のいい時だけ国連を持ち出し、都合が悪くなると国連を非難する、ということが続いたために機能不全に陥ってしまった。
そして、オバマ大統領に期待する仕事として、G20を中心として世界の経済(安定と緩やかな繁栄)と秩序(人類の安全、安心、平和)を維持するためにリーダー会議とその付属機関を創設することを提案している。

テロ、貧困、民族間憎悪・紛争、環境、教育、為替、金融システム、産業振興、地域開発、防衛などのテーマに世界最強の専門家を集め、問題解決をしていく国際機関をG20の下部組織に創設する。

かなり大胆な提案である。

中国やインド、その他アジアの国の経済力が今後20年で飛躍していき、間違いなくパワーシフトが西から東に起きていている。世界情勢、国連、それに代わる組織(?)ははどういう形をしているのかとても興味深い。

posted by ichiro at 12:49| ニューヨーク ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 国連改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月10日

教訓 One UN Programme

パキスタンではOne UN (Develivering as One)という国連改革のパイロット(テスト)が行われている。

2月初旬にOne UN Programme in Pakistan(FINAL 1 UN PAK - One Program Document 4 Feb 2009.pdf)はパキスタン政府と国連の間で調印された。このプログラムは教育、環境、保健と人口、農業と地方開発、災害対処の5つからなっている。

続いて、One UN Joint Programme in Educationが先週の金曜日に調印された。このJoint Programme in
Educatoinは5つのDocumentよりできていて、MDGやEFAの内容、国の抱える課題に対し包括的に対処している。FINAL-Education JP and JPC.zip

この教育プログラムは2009年から2010・11年に実施される計画で、その必要予算は260億円。このうちすでに国連が持っているいるのは約50億円。

この教育プログラム作成に関する数字は以下。

  • 作成に経過した時間: 22ヶ月
  • 雇ったコンサルタント: 12人 (契約書数)
  • 行ったワークショップ: 11回
  • 作成に携わった人数: 約600人 (ワークショップの参加者含む)
  • 作成費用:約2千万円 (国連スタッフの労働費用は含まず)
  • 参加国連機関: 9 (Joint Programme in Education)

UNESCOとUNICEFが調整役となった作業部会(Thematic Working Group:TWG)がパキスタン政府と行ったプログラム作成プロセスは文書の最後に、、(とても長いので)。



調印されるまで必要以上に時間がかかった理由は多くある。理由の多くは政府に関連すること、国連内部情報もあるためここでは割愛します。TWGのFocal
Pointだった自分の未熟さもその理由ひとつであることは疑いがない。いろいろな教訓があり、かなり強引だがそれをザッパリと纏めると、


教訓 1: 国連スタッフや政府の人を鼓舞するVisionの必然性
教訓 2: 現実をしっかり見る覚悟。とくに組織のキャパシティ、実績、強み
教訓 3: 強いRCO(UN Resident Coordinator Office)チームの必要性

経験を踏まえて、もし自分がOne UN Programmeを構築するとしたら以下のプロセス(6ヶ月)を提案するだろう。
  1. Capacity Assessment of UN agencies
  2. Brief Situation Analysis and Vision Development
  3. Identifying the prioritised geographical areas 
  4. Assembling the joint activities
  5. Developing the JP documents and consultations
  6. Finalizing the JP document

ポイントは過去に自分達の組織が政府やパートナーと何ができたのか、そのできたものをどう融合させればすこしでも効率良く国の人達に貢献できるのかというところ。

偉そうな提案で恐縮です、でもすこしでも何かの役に立てばと思います。

------------
脚注
  1. Situation Analysis (2 workshops)
  2. Setting Outcomes
  3. SWOT Analysis on Outcomes (Workshop)
  4. Validation of Outcomes
  5. Developing the Logframe
  6. Cost estimation (internal)
  7. Provincial consultation on the logframe (5 workshops)
  8. Capacity Assessment on UN agencies
  9. Prioritization of Outcomes (Workshop)
  10. Government Endorsement on the Logframe
  11. Identifying Activities (Workshop)
  12. Budget Allocation
  13. Drafting the Joint Programme Documents
  14. Finalization of the Joint Programme Documents (Workshop)
  15. Signing the Joint Programme

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posted by ichiro at 14:58| ニューヨーク ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 国連改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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