2008年07月24日

心にしみたこと

この業界で仕事をしていて寂しさ感じるのは、「どこから来たのかこの役立たず」と思われることだ。現実はあまくない。

現在かなり落ち目であるが、GDP世界2位の日本からやってくる。途上国に来て傲慢になることがある。途上国の人が憧れるトヨタ、ホンダ、SONY、Panasonicと同じくらい自分は質が高いと錯覚する。「だから、この国は、、、なんだよ。」 自然とその国の人を見下すようになる。

鏡の法則という本が数年前にとても売れたが、それはこの業界でも十分にあてはまる。途上国に来て人を見下すほど、自分も見下される。この役立たずと思えば、自分も「どこから来たのかこの役立たずの給料ドロボー」と思われる。

協力隊のときもそうだった。何の経験もなし、英語もまともに喋れないくせに、若くてハナパッシラはメチャクチャ高い。

ほとんどが天然の生徒で、高校レベルで割り算ができる子がクラスに10人以下だった。そんな中で、ニュートン、原子・分子、有機化学等を教えていた。

話す内容はともかく、生徒の方が英語がうまい。馬鹿にされることも多かった。これがとても悔しい、偉そうに日本から来てまともに授業や説明ができない。質問されて、イライラしたり怒ったりしていた。

それでも、熱心な生徒は自分の家に押しかけて来て物理や化学の質問をしてきた。うまく説明できなくて、生徒も不安な顔つきで帰っていくことも多々あった。情けなくて仕方なかった。でも、その学校にいる理科の教師は自分ひとりで、教科書も持っていない生徒の頼りは自分しかいない。

上手くなるには練習(?)しかないので授業を午前・午後とたくさんした。夜の生徒の自習時間も、特別授業をした。

自分の働く学校は卒業生が大学に進んだことがない。ネックは数学と理科だ。4年生の1人でもなんとか大学に進ませたいと思っていた。生徒達は国家試験を受け、AからEにランクされてAかBの場合のみ大学にいける。

たくさん授業したけど、わかっていたのか、それとも全然だったのか、、、

授業の終わりに生徒に聞く、「わかった?」
全員で「イエース(もちろん)、マリム(先生)」と必ず返答する。でも、テストをやるととほとんどわかっていない。

結局、その年の4年生の誰も大学にいかせることができなかった。自分ができたのは、卒業記念にみすぼらしいアルバムを日本製のカメラで作ってあげることぐらいだった。

彼らが卒業して数ヶ月経過した。そのうちの1人から手紙が届いた。Jamesというとても謙虚で賢く、クラスで1番か2番の成績の生徒だった。

「イチロウ、元気ですか?自分は村にいますがとても元気です。、、、、試験の結果、自分はCランクでした。大学には残念ながらいけません。でもイチロウがいなかったらきっとCランクも取れなかったよ。ありがとう。」

誰もいなくても彼ならCランク以上は間違いなかった。でも、とても心にしみた。有り難かった。



posted by ichiro at 11:10| ニューヨーク 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 協力隊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月09日

すごい野郎ども1

昨日、教師ネタを書いた後にすごい協力隊員達もいたことを思い出した。

その隊員は自分と同じく中学校の教師で、任地は首都からとても離れたところだった。地元に根付き、任地の学校から離れることは稀だったため、めったに会えることはなかった。英語やスワヒリ語も特別にうまく、授業も熱心で、多くの時間を生徒達と過ごしていた。隊員の中でも、尊敬し憧れている人も多かった。

当時、約15人いた中学校教師隊員の中でよく話題になっていたのは校長の着服やひどい学校運営。隊員が働く田舎では、畑で農作業して1日70円程度の日給に対し、中学校の学費は約2万円だった。これはかなり高額。生徒は家族や親戚からかき集めて学費をもってくるのだけどいつも足らず、足りないお金を納めてはまた家に帰らされた。隊員が授業や生徒に対して真剣になればなるほど、校長と衝突することも多かった。上記の教師隊員も例外ではなかった。

生徒達の信頼がとても厚かったその隊員は何度も生徒達の気持ちを代弁した。生徒は学校に残りたい、勉強したい。度重なる衝突に苛立った校長は、その隊員が学校に立ち入ることを禁止した。それに逆上したのは生徒達、校長が町に車でいるのを見つけると車にみんなで投石した。

警察が動き出した。生徒は自分達の意思で動いたが、その隊員が警察に追われることになった。その隊員は一連の動きをまったく知らずにいた。何人かの警官が学校の村にきて、お婆さんにその隊員がどこにいるのか聞いた。お婆さんはこう答えた「あの人は私達の人間だ、たとえ知っていてもお前達に教えるか!」

任期がほぼ完了する時期であったが、残念ながらその隊員は学校から離れなくてはならなくなった。でも、生徒達はその隊員から教わった真摯さや授業はきっと生涯わすれないだろう。

残念な結果になってしまったが、自分はただただ感動してしまった。
posted by ichiro at 11:37| ニューヨーク ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 協力隊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月26日

協力隊の未来 

今から16年前に青年海外協力隊でケニアにいった。ケニア山の麓、小さな村で中学校教師として物理と化学を教えていた。それが海外デビューで、開発デビューでもあった。時間が経ってもそこでの経験はいままでの人生の中でもっとも印象深いもののひとつであり、いまも自分を支える経験データベースである。

経験者としてそろそろ「隊」というのはやめたほうがいいと感じる。発足当時(40年以上前)は奥地前進の意味があったと思うが、いまはどうだろう?あまりネーミングが濃いと集まる人材が偏るような気がしてならない。また、この濃いネーミングは帰ってきてからの就職に悪影響しているのではとも感じる。

個人で異なるが、2年間の途上国での仕事で得られるものは実に多いと思う。

1.語学上達(英語、スペイン語、フランス語、途上国の母国語)
2.広い視野とコミュニケーション能力
3.240万円の貯金(今はすこし違うかもしれません)
4.日本人としての誇りと日本の強さ・弱さの認識(日本を外からよく観察する結果)
5.文化の多様性に対する適応能力

もっとメリットはあると思う。これらのメリットを前面に押せば協力隊のプログラムはもっと一般の人に開かれるだろうし、途上国で必要としている分野でのいい人材も確保しやすいような気がしてならない。

途上国ワーキングホリデー(すこし砕けすぎ?) Development Specialist Volunteer Programm ? もうすこしいいネーミングを考えてみます。いいのがあったら教えてください。















posted by ichiro at 11:20| ニューヨーク ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 協力隊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月19日

協力隊 虎の巻

1992年の12月にケニアに協力隊としてケニアにいってから15年が過ぎた。その後、いろいろな組織や国で仕事をしたが、基本的に仕事でのポイントや態度は同じように感じる。以下をすこしまとめてみた。これから毎日(?)以下のトピックでいろいろ書いてみたい。

A.途上国に住む
  1. 日本人としての定規
  2. 日本に関する知識はない
  3. だからここに仕事に来た
  4. 途上国を好きになる方法
B.協力隊
  1. 最初の1ヶ月
  2. 徴兵制ではない協力隊
  3. 協力隊ということに甘えない
  4. いろいろな可能性
  5. こんな得なプログラムはない
  6. これはプロセスその後は?
  7. データベースとしての協力隊
  8. すごい2年になる(本何百冊分)人生の中でのすごいインパクトになる
  9. 正解なんてないし、すべてが正解
  10. いろいろな隊員たち
  11. 日本をより知れる
C.やる気について
  1. やる気があったら途上国ではない
  2. いろいろと事情がある
  3. 許さなくてはいけないこと
  4. おなかがいつもへっているということ
D.相手との関係
  1. ミラー効果
  2. 人生で一番よかった先生、先輩、友人?
  3. なんといってもパートナーシップ
  4. バカにされる恐れ
E.仕事
  1. 言う事とやる事は違うのが当たり前
  2. 自分の名前で勝負する
  3. 家族への貢献、社会への貢献?
  4. アイデアから実施のコネクション
  5. 手段と目的
  6. 言葉とコミュニケーション
posted by ichiro at 12:45| ニューヨーク ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 協力隊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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