2012年08月16日

挑戦する脳


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私の見立てでは、日本の不調は、たった一つの理由に基づいている。

すなわちそれは、「偶有性忌避症候群」である。この症候群は、もはや日本の風土病とでも言うべきもので、社会のあらゆる場所に蔓延し、人々の思考力を低下させている。

何か起こるかわからないという「偶有性」の状況。「偶有性」は、生命そのものの本質であり、環境との相互作用において、私たちの脳を育む大切な要素である。

その大切な「偶有性」から目を逸らし、そこから逃走してしまうことで、日本人の脳は成長の機会を奪われている。

人生には、最初から決まった正解などない。なのに、あたかも正解があるかのような思い込みをして、自分白身がその狭い「フェアウェイ」を通ろうとするだけでなく、他人にも、同じ道を通ることを求め、強制する。それは「挑戦する」という脳の本質からかけ離れている。

(中略)

本来、人間の脳の最もすぐれた能力は、何か起こるかわからないという生の偶有性に適し、そこから学ぶことである。予想できることばかりではなく、思いもかけぬことがあからこそ、脳は学習することができる。

予想できることとできないことが入り混じっている状態は、いわば、学習し「挑戦する脳」にとっての「空気」のようなものである。

日本の教育現場は、行き過ぎた標準化、管理によってこの大切な「空気」を奪い、脳を「窒息」させて、その成長する力を奪ってしまっている。


挑戦する脳 茂木健一郎 より

テストには答えがあって、そこにたどり着くことが大事ですが、偶有性に満ち満ちた人生では答えを自分でつくらなくてはなりません。

標準化に必要以上にこだわるのはなんでも公平であるべきという意識の現れでしょう。脳を窒息させているのは日本だけでなく、残念ながら多くの国で起こっていることです。これから伸びていく途上国が従来の教育のこの局面を追う必要はないと考えています。

偶有性は直視すべき世界・社会の現実で、その現実と向き合い、答えの探求を促進する教育が今後より望まれます。

本日もブログをお読みいただきありがとうございます。


posted by ichiro at 10:31| バンコク ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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